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2020-09

移りゆく季節の中で。 - 2012.10.20 Sat

ガレージのツタ

15年前、お散歩の道すがら。
空き地のフェンスに細々と絡み付いていたツタを手でちぎり、
帰宅してそのまま自宅の花壇に挿した。
10cm足らずのそのツタは毎年少しずつ家の壁を這い進み、
現在では勢い旺盛で屋根にまで到達。
ガレージにまで進入している。
きっと来年には家を1周するだろう。




ツタの魅力は、
どんなに青々と茂っていても、
毎年秋には有終の美を飾り、冬になると潔く全て落葉してしまうコト。
そして初夏には小さな芽があちこちから顔を出してくるという生命力の強さ。
ツタに限らず落葉樹は、季節感を堪能できるから大好きだ。




ツタの紅葉。
過去に出会った中で最も感動したものは、イギリス留学中のイトコを訪ねた時に見た光景。
オックスフォード大学の重厚な石造りの校舎の壁一面に這ったツタ。
赤とグリーンのグラデーションはまさに芸術的で、
あのどんよりとしたイギリスの曇り空の下では、より一層鮮明な映像として目に焼き付いている。
その美しさも我が家のツタとは雲泥の差だ。



そんなツタでも、紅葉を心待ちにしてくれたおばあちゃんがいた。
ご近所さんなので、植物の世話をしている時ご挨拶し、立ち話もするようになった。
小柄で上品なおばあちゃん。
いつもおあつらえの帽子を被り、メークもきちんとされていて物静かな御洒落さん。
どこか異国の香り・・・
そうアフタヌーンティが似合うイギリス人みたいなオーラ。
素敵な暮らしをされてきたんだろうなぁ。
案内されたお庭は、手入れが行き届いていて幸せそうだった。
おばあちゃんとのおしゃべりは、ガーデニングの楽しみのひとつになった。

『うちのツタよりお宅のツタの色合いが大好きなの。
絵のモチーフにぴったりだから、分けていただけるかしら?』

はにかみながらウィンクをしたその表情は、まるで少女みたいだった。
若い頃からずっと水彩画を描かれていたそうだ。
きっと素敵な絵が完成したんじゃないかな。


ここ数年おばあちゃんをお見かけしていなかった。
当時80歳だとおっしゃっていたので、もう90歳は過ぎていらっしゃる。
ずっと気がかりで心配だった。
けれど先日、おばあちゃんをお見かけすることができて安心した。
色づき始めた公園の樹木の中を息子さんと一緒に車椅子でお散歩中だった。

落ち葉の絨毯

遠くからでも一目でおばあちゃんだとわかった。
御洒落な帽子とピンクのルージュ。
”あぁ、おばあちゃんだ・・・。”
移りゆく季節の中で、そこだけゆっくりと時間が流れているように見えた。
なんて温かな光景なんだろう。
胸までじ~んと温かくなった。








おばあちゃんがいつも褒めてくれていた我が家のツタも紅葉している。
2階のお風呂の窓にしっかりと絡み付き、秋風に揺れて季節感いっぱいだ。
おかげで網戸は開かなくなったけど、それもまた風情だなぁとそこだけは見て見ぬふり。

お風呂のツタ





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格闘しながら創作してマス。

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